京都精華大学

好き、どこにある?

03.
芸術学部の先輩

青山 礼さん

版画専攻 2年生。芸術系高校でも版画を学び、専門性を高めるために芸術学部へ入学。3年生からは表現の幅をさらに広げつつ、銅版画ゼミに所属予定。

縛られていたルールを
壊した瞬間

入学直後、大学でどんな作品を作ろうかと考えていた私に大きなインパクトを与えたのが「体幹ドローイング」。体育館に巨大な紙を広げ、全身絵の具まみれになりながら、自分で作った筆で線を描きました。筆はどんな材料を使ってもよかったので、私は学内のゴミ捨て場で拾ったゴミを使ってみることに。決まった材料や制作方法など無意識に縛られてしまっていたルールを壊し、もっと自由でいいんだと気づけたことが大きな学びでした。


芸術学部の初年次基礎教育で、絵画・工芸・彫刻・デザイン、4つの分野から想像力を刺激する課題に取り組む授業。さまざまな素材や表現に触れ、組み合わせることで、芸術家としての基本姿勢を身につける。

[科目名:芸術基礎実習/1年次]

はじめての紙すき。
破れた紙にヒントがあった

高校生のとき、京都精華大学のことを調べていて惹かれたのが、学内にある「紙漉(す)き工房」です。高校から版画をやっていたものの、紙については知識がなかったので、入学前からとても興味がありました。先生や職人の方に教わりながらはじめて紙をすいたとき、出来上がった紙が乾燥機からなかなか剥がれず、うっかり破れてしまったのですが、破れたところの繊維がものすごく複雑に絡み合っていることに気がついて。素材への理解がより深まった体験でした。


紙造形実習の基礎技法として、大学内の工房を使って「紙すき」の実習を行う授業。紙すきの技法や道具の使い方を学びながら、カラーパルプを使った紙や巨大な紙などさまざまな紙作品を制作する。

[科目名:工芸/1年次]

真逆の手法でたどり着いた
新たな表現

2年生で映像作品の課題がありました。私はずっと手仕事で平面作品を制作してきたうえ、デジタル作業が苦手だったので、そんな私が映像制作?という戸惑いがあって。そんななか、平面作品を1コマずつ動かして撮影し、連続して流す「ストップモーションアニメ」を制作したんです。動画編集をはじめ、普段とはまったく違う制作プロセスに苦戦しながらも、自分の作品が動いた瞬間はとても感動的で。次はどんな映像を作ろうかと考えるほど夢中になりました。


コンピュータと撮影機材を用いて動画作品の制作を行う授業。動画制作に必要な知識とスキルを身につけるとともに、動画制作の行程で関わる概念(イメージ、時間、編集、メディア等)の性質について学ぶ。

[科目名:芸術応用実習(版画)/2年次]

「バレン」から知った、
職人仕事の情熱

以前から伝統工芸に興味はありましたが、職人さんの現場のことはよく知りませんでした。京都の伝統工芸講座で特に心に響いたのが、木版画の摺師(すりし)の方による道具のお話。版画を摺る時に使う「バレン」は、市販のものにはプラスチックが入っていますが、職人さんは手に悪影響を与えないために、自然素材のみで作られたバレンを使っているとお聞きして。道具ひとつにさえも宿る職人さんの情熱に憧れの思いが一層強まりました。


京都の伝統美術・工芸に携わる作家や職人、デザイナー等毎回異なる分野のゲスト講師を迎え、それぞれの専門テーマで講義をおこなう授業。

[科目名:京都の伝統工芸講座/2年次]

平面作品を飛び出して、もっと自分だけの表現を

版画を極めたいという思いで大学へ入学しましたが、特に初年度は版画以外の技法や素材について学ぶ時間が長く、最初は焦りや戸惑いがあって。でも、さまざまな表現方法に出会い、知らぬ間にできていた固定概念を壊せたことが、その後の制作活動において本当に価値ある出来事でした。絵本制作や自分の作品が動くことにも興味をもったので、これからは技術をさらに磨きつつ、平面だけではない表現方法にも取り組みたいです。

芸術学部の
その他の学び

草花の造形から学ぶ、美しい線

草花を観察し、見る方向や角度を変えながらクロッキー(素描)を繰り返し、もっとも美しい姿を見つける。いくつも描いたなかから絞り込み、ねらいを仲間と共有しながら、特徴と生命感のある表情を描写する写生に進む。

[科目名:造形演習(日本画)]

表現を広げるパフォーミングアーツの世界

ダンスや演劇の特徴を知り、美術の中での身体の扱われ方などを研究しながら、個人やグループでパフォーマンス作品を制作する。制作から発表、アーカイブまでを実践することで、身体芸術のあり方を学ぶ。

[科目名:表現研究]

展覧会をつくる「キュレーション」の実践

普段は訪れる側の展覧会を、自分たちで企画・実施する。まずはテーマを立て、作品を選び、その展覧会で何を伝え、どのように発信するかを考える。次に実際の会場下見から出品交渉など、外からは見えない展覧会のプロセスを実践を通して理解し、醍醐味や課題を発見する。

[科目名:表現研究]

「登り窯」で焼く80センチの巨大壺

高さ80センチもの大壺をろくろで制作し「登り窯」で焼成する授業。学外施設「朽木学舎」へ赴き、学生同士で力をあわせて火の番をおこないながら、古来より伝わる登り窯の焼成方法を学ぶ。

[科目名:芸術社会実践実習(陶芸)]

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