京都精華大学

好き、どこにある?

01.
国際文化学部の先輩

新井 颯さん

人文学科 3年生。高校生のころから日本文化に関心をもち、現在は伝統産業に関する研究をおこなう。

独りよがりを捨てて。
ディスカッションの意味

講読演習という授業で、伝統産業の危機について述べた本を読んで意見を発表しあったとき。私は以前から伝統産業に興味があったものの、国内でどうすれば継続できるかばかりを考えて、解決の糸口にひとり悩んでいました。でもある人は、これからは海外からの評価のほうが期待できるのではと話していて、凝り固まっていた考えが一気に広がったんです。課題と向き合うとき、ひとりで悩むのではなく、意見交換をすることの意義を身をもって感じました。


初回授業で提示される講読資料ごとにグループ分けをし、毎回グループ内での発表およびディスカッションをおこなう授業。

[科目名:講読演習/2年次]

産地に行ってはじめて気づいた、キーマンの存在

2年生の夏休みに丹後にあるちりめん工房のインターンシップに参加しました。それまでは、伝統産業の産地ってどこか閉鎖的なイメージがあったんです。でも実際は、みなさん快く対応してくださって。そのとき実感したのが、外部とのパイプ役となる方がいることの重要性。ある方が間に入って、職人さんとつないでくださったおかげで、すぐに溶け込むことができたんです。産地を活性化するには、こうしたキーマンの存在が必要不可欠だということを知りました。

文献調査では見えてこなかった現地での気づき

フィールドワークの授業では、調査テーマがギリギリまで決まらなくて…。以前読んだ森鴎外の『高瀬舟』から見た高瀬川の歴史について、とりあえず調べてみることにしたんです。でも調べていくうちに、どんどん興味が湧いてきて。実際に現地を歩いてみると、石碑や周りの史跡などから文献では得られなかった気づきがあり、文学のなかの遠い世界の話ではなく、当時と現在が地続きに感じられました。最初は不安もありましたが、2ヶ月間かけて調べたこの内容は自分の財産です。


約2ヶ月間を使い、「フィールド=現場」に赴いて、作成した計画書に従いつつ学習・研究・調査を行う。定期的に担当教員と相談の機会を持ち、調査準備・記録作成についてアドバイスを受け、より調査内容を深める。

[科目名:長期フィールドワーク/3年次]

アイヌの暮らしから学んだ、
ものづくりの生態系

素材論という授業で印象的だったのは、アイヌ民族の話。アイヌでは、たとえば1匹の鮭の身だけではなく内臓やヒレも食べ、皮も雪靴に加工するなど、ほとんど余すことなく使い切る文化があるらしくて。私自身、伝統産業をはじめとするものづくりに興味はありましたが、材料など周辺の要素までは見えていなかったことに気がついたんです。今後ものづくりを考えるうえでは、ものを取り巻く環境を理解し、材料との向き合い方を見直す必要があると思いました。


芸術造形・デザイン・建築制作時に最低限必要な、伝統的素材と最新素材、およびその加工技術を習得する授業。

[科目名:素材論]

ぼんやりとした道を走り続けて見つけた「やりたいこと」

高校生のころは伝統産業をはじめとする日本文化にただなんとなく興味があるという状態で、その先のことはぼんやりしていました。大学では講義はもちろんインターン、外部のイベントなど、とにかく積極的に伝統産業に関わるようにしたんです。そうすることで次第に、自分は伝統産業の流通やマーケティングがやりたいんだと気がつくことができました。今後は持ち前の行動力で学外にも飛び出して、さらに経験と知識を積んでいきたいです。

国際文化学部の
その他の学び

海外で学ぶ姿勢を身につける

海外でのフィールドワークを充実したものにするために、講義やゼミを通じて事前の調査や現地での活動を計画し、教員や仲間と話し合う。フィールドワークで語学や文化を学ぶことに集中するための知識を身につけ、具体的な計画を立てる。

[科目名:現場学]

現地で役立つ実践英語

英語を楽しみながら、自分の考えを伝える力を身につける。テーマについて英語で読み解き、ディスカッションを通して深く考える力を養う。インターネットを英語で利用してリサーチをおこなったり、グラフや表を読み取るなど、留学先でも活用できる実践的なスキルを習得する。

[科目名:Effective presentation]

情報を“読み解く力”を鍛える

ただ漠然と情報を知るのではなく、新聞記事・雑誌記事・インターネット情報などをもとにその背景や意図を考え、ワークシート作成やディスカッションを通して理解を深める。情報がどのような目的で発信されているのかも含めて読み解いていく。

[科目名:国際文化リテラシー]

京都の歴史を多様な時代からひもとく

日本独特の文化が生まれた平安時代や、京都の姿を変えた応仁の乱。近世の暮らしや幕末の動乱など、さまざまな時代のできごとをひもときながら、「京都」への理解度を深め、とらえなおす。史跡をたずね、現地を調査することも。異なる時代を生きた人びとの暮らしや考え方を知り、京都の歴史に関する専門的な知識を得ながら分析・考察する力をみがく。

[科目名:京都の歴史]

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