八木寛人さん
プロダクトデザイン学科 4年生。人の感性に訴えかけるデザインを研究し、卒業制作では「感覚統合療法」の考え方を参考として複数の感覚を刺激するためのプロダクトを制作。
憧れから現実に、“リアル”を感じた製品デザイン
もともと漫画で見た、近未来的な乗り物のデザインに憧れがあったんです。でもそれはあくまでフィクションの世界で、社会に実在するデザインとのギャップを感じていました。そんな私がリアルな製品デザインを経験したのが、福井県鯖江市のメガネメーカーと協働で取り組んだアイウェアのデザイン。商品化に向けてプロと一緒にブラッシュアップを重ねるなかで、いつか自分のデザインも社会で実現できる日がくるかもしれないというリアリティをはじめて感じることができました。
「人に影響を与え皆がハッピーになるアイウェアデザイン」をテーマに、実践的な考え方と表現を学ぶ授業。
[科目名:プロダクトデザイン応用実習/3年次]
苦手を乗り越えて。
街のシンボルをデザイン
学外で貴重な経験だったのが、福井県浅水駅に設置される大型看板をデザインしたこと。それまで平面のグラフィックデザインに苦手意識があり、文字の大きさや強弱のつけ方など、何週間もかけて調整を重ねました。苦労の末、駅に看板が設置された瞬間は感激。グラフィックデザインへの大きな自信につながりました。プロダクトデザインでもパッケージ制作などグラフィック力は欠かせません。苦手を克服し、強い武器を手に入れることができました。
メガネから電車、スケール感の違いに戸惑いながら
3年生の集大成として取り組んだのが、石川県金沢市に走らせる路面電車の車両デザイン。それまでは比較的コンパクトな製品デザインがメインでしたが、車両となると周りの景観や都市との関係性など、これまで以上に配慮しなければいけない要素がたくさんあって、スケール感の差に戸惑いました。でも現地調査を進めるなかで、金沢の街に溶け込むデザインを考えることにワクワクしてきて。最後にクラスみんなの車両モデルが並んだ瞬間は壮観でした。
公共用途で使用する移動体のデザインを考える授業。まるで風景の一部となるような地域の人々に愛される「思いやりと抑制の利いたエクステリアデザイン」のあり方を学ぶ。
[科目名:プロダクトデザイン応用実習/3年次]
凸凹ペアで挑んだ
はじめてのペアワーク
これまでの制作は個人ワークだったので、知らず知らずのうちに自分のペースで取り組むことが当たり前になっていました。ペット用品の産学連携授業は、はじめてのペアワーク。しかもペアを組んだ相手は、自分とはまったくの逆の進め方で、スピード感の違いに焦る場面もありました。でも真逆だからこそ、お互いの不得意な部分を補いあうことができて。アイデアの広がりやスケジュール管理など、個人制作にはない新鮮な気づきにあふれた経験でした。
「ペットプロダクト」をテーマに、マーケティング調査・商品企画・調査研究・プロダクトデザイン製作の実務プロセスに沿って進め、プロダクトデザインにおける感性の働きの体現を現場感覚で学ぶ授業。
[科目名:プロダクトデザイン応用実習/3年次]
見た目だけじゃない、ユーザー目線のデザインを
もともと漫画『AKIRA』に影響を受け、かっこいいメカデザインがやりたいと思ってこの学科に入りました。でも大学で過ごすうちに気がついたのは、それまでは見た目でしかものを見ていなかったということ。メガネやペット用品など実践的なプロセスのもと、デザインの機能面や表現の幅を知ることで、もっと使い手に寄り添ったデザインがしたいと思うようになりました。今後も使う人の生活に潤いを与えられるような商品デザインを続けていきたいです。
デザイン学部の
その他の学び
持続可能なファッションとは?
持続可能性の観点から服飾デザインを考える。これまでの実践例や理論を学び、流行だけでなはく、社会におけるこれからのサステナブルなファッションの役割について探求する。
[科目名:サステナブル・ファッション]
学外へ飛び出して、自然環境に自ら触れる
私たち人間の生活と切り離すことができない、自然について深く考える授業。実際に学内や京都市内の自然を観察しに出かけ、背景にある人・モノ・自然環境のつながりとメカニズムを考える。
[科目名:自然環境演習]
伝統建築に宿る日本の美意識
日本の伝統建築である茶室や数寄屋(すきや)などの歴史やなりたち、つくりを学ぶ。さらに間取りや柱・床の間、天井などの具体的な工法についても理解を深める。
[科目名:伝統建築工法]
新たな体験を生む「場」のデザイン
京都にあるホテルやショップなど地域に根差したユニークな場所をテーマに、その場所の可能性を生かすためのアイデアを生み出す。実際に現地をリサーチして、企画を立案し、プレゼンテーションをおこなう。「正解」にとらわれない取り組みで視野を広げる。
[科目名:コンテンツプランニング演習]