program

テーマ研究ゼミ「再生産労働とインターセクショナル・フェミニズム」

【日時】
①基礎レクチャー 11月20日(土)13:30-15:00 ※ゼミ受講生以外も聴講可
②ゼミ 11月27日(土)13:30-15:00
③ゼミ 12月4日(土)13:30-15:00
④ゼミ 12月5日(日)13:30-15:00
⑤ゼミ 2022年1月8日(土)13:30-15:00
⑥ゼミ 2022年1月22日(土)13:30-15:00

講座のアーカイブ映像記録を2021年12月20日まで公開しています。
https://youtu.be/nc9ntjOwjTM

【講師】須川咲子(文化労働者)

2010年、”21世紀の公民館”をめざして京都にSocial Kitchenを共同で立ち上げ、活動した後、芸術や文化を生産する活動と現代社会を支える様々な活動を行き来しながら、社会をよりよく変えていくための運動の在り方を研究してこられた須川咲子さんを講師にお迎えします。本ゼミではインターセクショナル・フェミニズムについての基礎的な学びをベースとしながらも、「再生産労働」という社会的課題について受講生同士で話し合うという経験を重視しています。
第1回は須川さんによる基礎レクチャーを行います。一般公開ですのでどなたでも受講ください(第2回以降は通し参加のゼミ受講生のみとなります)。

【講師より】
「再生産労働」という言葉を聞いたことはありますか?日本では家事労働という言葉の方が馴染み深いかもしれません。再生産労働という言葉は、マルクス主義フェミニストたちが使い出した言葉で、料理、掃除、洗濯、子育て、教育、介護労働を指しますが、家事労働という言葉より広く、政治的な意味を持っています。この労働は、人と人、人と周辺環境を結びつけ、喜びや強さ、楽しみをもたらすという側面を持つ一方で、労働として認識されていないため、この労働に従事する(させられる)人が常に経済的な不利益を被るという、二面性を持っています。 私が再生産労働に「気付いた」のは、京都にあるSocial Kitchenという小さな文化施設の運営を通してでした。芸術や文化を生産する活動に従事する中で、「人や地域との関係や、場所を維持するために必要で、かなりの時間を割かざるえない労働がある。けれど、文化芸術の生産活動の影に隠れ、あることが当たり前だとされるこの労働は評価もされない」ことに気付いてしまったのです。ちなみに、多くの文化施設において、この影に隠れた低賃金労働に従事しているのは、マネージャーやコーディネーターという肩書きを持つ、有期雇用の女性労働者です。 再生産労働に「気付いた」後は、この労働の本質を理解するために、清掃会社でアルバイトをしたり、ニューヨークやオランダで、再生産労働(家事労働)に従事する女性労たちのそばで話しを聞き、労働者としての権利獲得を目指す社会活動に参加しています。そうこうしているうちに7年が経ちました。 再生産労働について考えることは、資本主義経済がただ乗りしてたきもの(天然資源、奴隷労働、女性が担わされてきた無償/低賃金の家事労働)全体について考えることです。つまり、再生産労働について学ぶということは、女性差別や人種差別が資本主義とどのように関係しているのか、植民地主義から今日のグローバル資本主義に至るまで、「誰が、誰から、何を奪ってきているのか」という具体的な搾取の歴史を知り、人種、性別、階級、国籍、市民権のあるなしなど、個人の様々な属性によって生じる抑圧の形態がどのように交わりあっているのか、点と点を繋げていくことなのです。 この点と点を結びつけるという行為ができるようになると、その中で自分はどこに立ち、どのように振る舞うのかという、作法のようなものが見えてきます。この作法は、文化芸術産業で働く人たちが、それぞれの活動を、既存の社会運動や政治政治と連動させていく時、あるいは様々な運動体とダイナミックで補完的なフォーメーションを作っていく時、とても役立ちます。 「再生産労働」という視点を獲得して、私の視界は一気に、大きく、豊かに広がりました。こんな驚きみたいなものも共有しながら、これからどうやって、コレクティブにかつ具体的に闘っていくのかも、一緒に考える講座にできたらと思います。

Center for reproductivelabor  https://www.instagram.com/centerforreproductivelabor/

【対象】アート表現やアートプロデュース、表現倫理を学ぶ学生、アートプロジェクトの運営にかかわる実務者、大学教員をはじめとした研究者等。実務経験は問わない。

【定員】15名程度(①基礎レクチャーのみ100名程度)

【開講形態】オンライン。ゼミはZoomアカウントでの受講

【申込フォーム】
①基礎レクチャーのみ https://forms.gle/4ZzVPBijpMH7B2Us7
①~⑥基礎レクチャー+ゼミ https://forms.gle/8n9bGVdWBDNLJh6n8

【申込締切】2021年11月13日(土)

講師 profile

文化労働者

須川咲子

2010年、Social Kitchen(京都)を共同で立ち上げる。2014年、オークランド工科大学ST PAUL St Galleryのリサーチフェローとなり、国営住宅の私有化に抵抗する女性たちのグループと活動を共にする、彼女たちを支援するためのグループ、Accompany Collective(オークランド)を共同で立ち上げる。2015~2016年、クイーンズ美術館(ニューヨーク)客員研究員(新進芸術家海外研修制度)として、家事労働者の運動に参加し、組織化の方法を学ぶ。Center for Reproductive Laborを友人たちと設立し、家事労働者の運動と連動した、社会主義フェミニズムのあり方を探る。その取り組みの一環として、インスグラムのアカウント@centerforreproductivelabor(ゲーテインスティチュート東京)を立ち上げ、再生産労働に関する教育プラットフォームとしての運営を行う。共著に『Co-Revolutionary Praxis: accompaniment as a strategy for working together』(2016年)。現在は、再生産労働についての本を執筆中(洛北出版、2022年出版予定)。

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京都精華大学 学長室グループ

〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137

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FAX   : 075-722-5440
MAIL : lgbtqseminar@kyoto-seika.ac.jp

※プログラム当日のお問い合わせはメールでお願いします。

マイノリティの権利、特にSOGIをはじめとした〈性の多様性〉に関する知識と、それらを踏まえた表現倫理のリテラシーを備えたアートマネジメント人材育成プログラム

主催

京都精華大学

共催

京都市、公益財団法人世界人権問題研究センター、一般社団法人HAPS

協力

京都精華大学ダイバーシティ推進センター、山田創平研究室、一般社団法人地域共生社会創造ラボ

プロジェクトディレクター|緒方江美 アフリーダ・オー・ブラート

プロジェクトコーディネーター|内山幸子

令和3年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業

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