新稲 法子 NIINA Noriko
- 専門分野
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日本近世文学 / 漢文
職業
研究者 - 所属
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- 国際文化学部 人文学科 文学専攻
経歴・業績
大阪市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、博士(文学)。専門は日本近世文学、漢文で記されたものを軸として研究している。
メッセージ
漢文というと堅苦しいイメージを持たれがちですが、江戸時代の日本人の漢詩には垢抜けていて洒落た作品がたくさんあります。詩人たちは漢詩を詠むだけでなく、書や画も嗜み、筆や硯などの文房具に凝ったり、中国から渡ってきた貴重な書画をコレクションしたりと文雅の暮らしを楽しみました。
私が大学の卒業論文で取り上げたのは柏木如亭という詩人でした。漢詩を詠みながら日本各地を旅し、そこで出会ったおいしいものを記した『詩本草』という漢文随筆が今に伝わります。少しの文房具と詩だけを残して亡くなった如亭の最後の住まいである京都を訪れ、気がついたら予想もしていなかった研究の道に進んでしまっていました。
柏木如亭だけでなく、江戸時代の詩人たちは魅力的で個性豊かな人が多く、エピソードにも事欠きません。皆さんもきっと推し詩人が見つかることと思います。まだまだ知られていない、江戸時代の漢文を読んでみませんか?
カメラの画素数が大きければ大きいほど画像が鮮やかになるように、語彙が多ければ多いほど伝えたいことが表現できるようになります。漢文は日本語の一部です。現代文のようにすらすら読むことはできませんが、勉強した先には苦労を忘れる世界が広がっています。漢文に親しむことは、皆さんの表現をより豊かにすることでしょう。