2020年度前期授業実施の変更(対面授業の中止)と入構禁止措置について

本学としてはこの間、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組み、5月11日(月)より学内における対面授業を開始すべく準備を進めて参りましたが、全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出され、事態の収束に未だ見通しが立たない状況を踏まえ、学生のみなさんの健康、安全を最優先し感染拡大の防止に努めるために、前期期間中は対面授業を行わず、全ての科目を遠隔授業等で実施することを決定いたしましたのでお知らせいたします。

また、現状の入構禁止措置については、緊急事態宣言の解除など今後の状況変化に対応して、 設備・施設の部分的利用を認めるかどうか検討します。

教職員一同、学生のみなさんと同様にキャンパスでの対面授業の開始を心待ちにしていたため、このような決定をしなければならないことはとても残念です。しかしながら、学生のみなさんおよび教職員の全員が健康、安全に今を過ごしたうえで、キャンパスに集うことができるように、このような判断をいたしました。

遠隔授業等では、セイカ・ポータルによるレジュメ、課題の提示・提出や動画配信、オンライン上の会議システムを用いた授業運営を続けることになります。私たち教職員にとっても新たなチャレンジであり、試行錯誤が続くことは否めませんが、教育の質を落とさないよう最大限の努力を務めて参ります。また遠隔授業等の受講に際して必要なサポートの整備を進めていく予定です。学生のみなさんにもさまざまな不安や不明な点が生じることと思いますが、そのような時にはいつでも遠慮なくお知らせください。

授業実施の変更にかかる詳細は改めてセイカポータルにてお知らせいたします。また今後の状況によっては変更等が発生する可能性がありますので、引き続きセイカポータル等をご確認ください。

引き続きみなさんのご研鑽とご健康を心から祈っております。そして、みなさんとキャンパスでお会いする日を楽しみにしています。それまで健康に十分気を付けて自宅等で学修に取り組んでください。

ウスビ・サコ学長から在学生へのメッセージ





A message to students from President Oussouby Sacko, April 24, 2020 - Kyoto Seika University

みなさん、こんにちは。
大家好(Da jia hao), Hello, everyone.

今日は学長として、みなさんと考えを共有したいと思っています。

京都精華大学は4月20日から遠隔という形で授業が始まっています。
この遠隔授業に対して、教職員や学生諸君から、さまざまな意見が私の方に届いています。
学生と対面で授業をしたい、教員と直接関わり合いながら授業を受けたい、そのような要望が寄せられています。

みなさんのこの気持ちを嬉しく感じていますが、その一方で心が痛みます。
我々教員にとって、学生の顔を見てその雰囲気を感じながら、授業を進めることは何より大切です。しかし、今回の新型コロナウィルスによる未知の事態においては、リスクをできるだけ小さくすることが非常に重要だと思っています。

京都精華大学にとって一番大切なことは、理念にもあるように学生のみなさんを大切に育て、そしてみなさんがその力を社会で発揮していくことです。遠隔授業というのはベストな解ではないかもしれません。前例がないなかで行なっている一つのやり方です。「前例がない」ということは、正しい解答がないということです。みな不慣れななか、試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいます。当然、在学生のみなさんにとっては、我慢を強いられていることもあるでしょう。しかし、みなさんがこの時期を一緒に団結して、乗り越えていかなければ、教育の崩壊、大学の崩壊、そして社会の崩壊へと繋がってしまいます。このひとときの我慢は、みなさんの将来に繋がっていくということを肝に銘じていただきたいと思っています。

4月16日に緊急事態宣言が発令され、それが全国に広げられたという状況のなか、我々がどのように行動すべきか、これまで検討を重ねてきました。そして、この事態において対面授業を実施することはどうしても無理が生じると判断し、この前期は全て遠隔で授業を行うことを決定しました。

当然この決定に対しても様々な声があると思います。学費を返金すべきではないか、そのような意見も寄せられています。私は、今、社会にとって一番重要なことは、みなさんが教育を受け続けられることだと考えています。遠隔であっても、みなさんが知識にふれ、知識に対して関心を持ち続けていくということがなにより重要です。

京都精華大学では、みなさんがどのような形で遠隔授業を受け続けられるかということを検討しています。
検討事項の一つが通信環境です。みなさんが同じように通信環境が整っているわけではないなかで、どのように教育を提供すればいいのか、検討する材料としてセイカ・ポータルを通じてアンケートをお願いしています。ぜひ回答してください。

もう一つ、大学の施設についてです。
施設を使用する実習の授業は、遠隔で受けにくいという声も聞こえてきます。現在は、新型コロナウィルス感染予防として接触率を少なくすることを目的に、大学施設を一時的に使用禁止としています。しかし今後は状況を見ながら大勢が密集しない方法で、必要に応じて施設の使用を認めることも検討したいと考えています。そのように常に状況を見て、最善を検討していきたいと考えていますので、それまでもう少し、みなさんには我慢をしていただきたいと思っています。

さらにもう一点、みなさんにお伝えしたいことがあります。
この状況下では、ひとりで抱え込んで思い悩み、インターネットで情報を仕入れて、さらに不安になることがあります。正しい情報を得られるよう、分からないことがあればいつでも大学に連絡をしてください。また、「学生相談室」では、遠隔によるカウンセリングの受付を行なっています。必要な方はセイカ・ポータルから申し込んでください。

このような事態においても、みなさんがこれから人間として成長していくためには、この教育環境を大切に維持していくことが大切です。それは京都精華大学の理念にあるように、教員、職員、そして学生、みんながこの共同体の一員として、この京都精華大学を良くしていくということです。お互いに批判しあうのではなく、クリエイティブな発想で知恵を絞り、この京都精華大学の方針を大切にしていくということであります。

私も本当に心苦しく思っています。
入学したばかりの1年生、あるいは自分の専門に進んだばかりの2年生、これから多様な方法で社会とつながろうとする3年生、さらに就職活動で苦労し、悩んでいる4年生。
本来はみなさんと大学で一緒過ごしている、この一番大切な時期にこのような事態になってしまいました。
これは誰のせいでもない。それだけをまず理解をしあって、みなさんが力を合わせれば、この時期を乗り越えられるということを考えていただきたいと思っています。

遠隔授業というのは難しいかもしれません。でもそれはひとつのやり方です。
私の出身のマリ共和国では、1年〜2年間、授業が無かった時代がありました。その苦しさは、みなさんには経験してほしくありません。そういう意味で遠隔という、ひとつのやり方でも、みなさんに付き合っていただきたいと思っております。

みなさん、どうか体を大切にこの時期を過ごしてください。
また顔を合わせて一緒に笑って過ごす日が来ることを、心より望んでいます。

京都精華大学 学長
ウスビ・サコ

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