一般社団法人リノベーション住宅推進協議会が主催する動画コンテスト「リノベーション動画コンテスト2017」で、デザイン学部グラフィックデザインコース3年生の学生4名のチームが審査員特別賞を受賞しました。
タイトル:『雑談リノベーション』
制作:湯浅空美子さん、上平安里紗さん、松田琢也さん、山本茉奈さん
チームを代表してグラフィックデザインコース3年生の湯浅空美子さんから話を聞きました。
この作品は、3年次の実践的なプロジェクト型授業の中で、「広告プロジェクト」チームとして4人で制作しました。授業では何を広告の対象にしてもよかったので、最近で注目を集めている「課題解決型のデザイン」でいこう、ということになりました。
私たちが注目したのは、スマートフォンやSMSの普及によって、ひと同士が直に話す機会が減ってきているのではないかという社会的課題。それをデザインの力で雑談の機会を増やせないかと考えました。とはいえ、いきなり他人同士が居合わせても話は盛り上がりません。試行錯誤の結果、両者を仲介するものを空間に設置しようというアイディアが生まれ、しゃべるゴミ箱「ペチャミン」が誕生しました。
なぜ「ゴミ箱」を選んだかというと、ゴミを捨てるために必ず人が近づいてくるから。「ペチャミン」を学内や街中に設置して動画を撮影したり、スマートフォンを取り付けてインターネット電話を使い、遠隔操作でゴミ箱に近づいた人に話しかけたりしました。
このプロジェクトの締めくくりとして、この取り組みを動画にまとめて、「リノベーション動画コンテスト」に応募することになりました。しかし、私たちには動画制作の知識がなかったので、映像コースの学生に協力をお願いしたのですが、専門外のことはその道の人にお願いすることもできる、と知れたのは良い経験になりましたし、他学部の人と話すきっかけにもなりました。
コンテストのテーマである「リノベーション」とは、一般的には「建物を改修して新しい価値を生み出す」ことですが、このコンテストでは、「建物に限らず、既存の物事の使い方やとらえ方を変えて、新しい価値を見出す」ことを目的としていたので、自由な発想で取り組むことができました。他のノミネート作品は建物のリノベーション動画ばかりでしたが、その中で私たちの作品のユニークさを評価してもらえたなら嬉しいです。
最後に湯浅さんから高校生に向けたメッセージをいただきました。
自分が「何をやりたいのか」、「何が好きなのか」、をできるだけ口に出して、先生や友達に伝えておくことが重要です。それによって、関連する情報を教えてもらえたり、人脈ができたりします。口に出すことが難しいのであれば、作品で伝えることもできます。例えば、自分が描いた絵を人に見てもらえる環境に置いてみる。そこから新たな繋がりが生まれるかもしれません。
グラフィックデザインコースは、人に何かを伝えるデザインを学びたい人に向いていると思います。自分が好きなことを伝えるのではなく、自分の個性と相手が求めるものを併せもつ作品が作れる環境だと思います。