中野 裕介 NAKANO Yusuke
- 専門分野
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描画-テキスト-空間表現 / 現代美術
- 所属
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- 芸術学部 共通教員
- 大学院 芸術研究科
経歴・業績
1976年 東大阪生まれ。2002年 京都市立芸術大学大学院 絵画専攻(日本画)修了。01年 同大学の林泰彦と活動開始、03年 ユニット名を「パラモデル」に。メタフィジカルな「模型遊び」をテーマに、玩具「プラレール」を用いた大規模なインスタレーションなど、多様な形式の作品を発表。造語「パラモデル」や玩具「プラレール」使用の発案、「終わらない工事現場」など、中野が概念化し拡張されたイメージも多い。11~17年の図書館勤務を経た現在のソロ活動では、描画やテキスト・空間表現を軸に、文学・哲学・マンガ・建築・郷土文化・伝統芸能など、古今の書物を横断し、題材とする創作を続ける。バンド・パフォーマンス集団「山/完全版」のメンバーでもある。
個展:01年「中野裕介 展」(VOICE GALLERY、京都)、ユニットでの個展に 07年「パラモデル展」(高知県立美術館)、10年「パラモデルの 世界はプラモデル」(西宮市大谷記念美術館)、13年「パラの模型/ぼくらの空中楼閣」(銀座メゾンエルメス)、14年「Paramodel」(University of Michigan of Art、アメリカ)、15年「パラ基準と変調 paramodulætion」(下山芸術の森 発電所美術館、富山)など。ソロでの個展に 18年「まちがeる読み、iかれた挿し絵」(MORI YU GALLERY、京都)、20年「PARAの話 — ああ ことばのつうじないこのせつなさよ」(CAPSULE、東京)、21年「まpがえる読み、yかれた挿し絵」(誠光社、京都)、21年「まTiGerる読み、いかReた挿し絵」(高松市美術館、香川)、22年「かなたをよむ:海と空のあいだのP」(宇城市不知火美術館・図書館、熊本)、24年「よろぼう少年、かなたの道をゆく▷▷▷《俊徳丸伝説》であそぶ」(東大阪市民美術センター)、24年「□とか△、できかけのPの話」(京都髙島屋S.C.百貨店7階グランドホール)など多数。
グループ展:ユニットでの参加に 05年「「森」としての絵画」(岡崎市美術博物館)、「美麗新世界」(広東美術館ほか、中国)、08年「KITA!!」(SELASAR SUNARYO art space ほか、インドネシア)、「拡張された感覚—日韓メディア・アートの現在」(LOOP、韓国/ICC、東京)、「SENJIRU - INFUSION」(Kashya Hildebrand、スイス)、「アートでかけ橋」(大山崎山荘美術館)、09年「Big in Japan」(Contemporary Art Centre、リトアニア)、「2009 Asian Art Biennial」(台湾国立美術館)、11年「Art Garden」(シンガポール美術館)、「世界制作の方法」(国立国際美術館)、「赤塚不二夫マンガ大学展[ゲージュツ篇]」(京都国際マンガミュージアム)、12年「東京駅復元工事完成記念展 始発電車を待ちながら」(東京ステーションギャラリー)、「The 7th Asia Pacific Triennial」(Gallery of Modern Art ほか、オーストラリア)、14年「MOTアニュアル2014 フラグメント —未完のはじまり」(東京都現代美術館)、16年「文化庁メディア芸術祭青森展 まぼろし村と、あなたとわたし」(青森県立美術館)など。ソロでの参加に 19年「BnA Alter Museum」[アートホテルの客室制作](BnA Alter Museum、京都)、20年「para・textile 本を編む ー 繁茂する外延」[京都工芸繊維大学との共同企画](KYOTO Design Lab 東京ギャラリー)、22年「フジオプロ旧社屋をこわすのだ!! 展 『ねぇ、なにしに来たの?』」(フジオプロ旧社屋、東京)、23年「コレクション展1:いろいろな線」(高松市美術館、香川)など多数。
受賞:平成20年度 咲くやこの花賞[美術部門(現代美術)]
著作:『Paramodel パラモデル』(青幻舎 10年、ユニットでの著作)、『まちがeる読み、iかれた挿し絵 中野裕介/パラモデル 2010-2020 Paradoxical Reading, Plastic Paratext - Yusuke Nakano / PARAMODEL 2010-2020』(青幻舎 21年、単著)、『かなたをよむ:空と海のあいだのP』(P出版 24年、単著)
メッセージ
「人が絵を描くのは、いわゆる自由な存在でありたいからです」 「(自分にとって)おもろいことは、もう、いっぱいせえ。おもろないことは、うまならん」 「芸術とは幼心の完成である」 「クリエーターというのは、快楽のために仕事をする存在ではないのです。クリエーターというのは、彼が絶対に必要としているものだけを作るのです」 「芸術とはすなわち抵抗のことです」 「一流の映画をみろ、一流の音楽を聞け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。そして、それから自分の世界を作れ」 「これでいいのだ」
僕がいつも励まされてきた、尊敬する表現者たちの言葉です。表現者は、子供や動物になって、いつまでも遊び続け、誰も見たことのない形や発想を、世界に増やすのが務めなんだと感じます。
どんな風に転がるかはわからない、でもそれは楽しみでもあるはず。思いついて出来ないことは何も無い、とまずは信じて、面白いこと、自分にとって大切で、やらずにはおれないことには、とことん手を伸ばしてみる。遊び心を持って、気になることを組み合わせ、つなげる。時には仲間と触発しあい協力しあって、うまくいかなくても諦めず、どん欲に粘って、ジャンルや通念、自分自身も越え、何からもはみ出すくらいの勢いで、どこまでも限界なく……とにかく何でもやりまくりましょう。
恵まれた京都精華大学の環境を活かして、そんな喜びを追求する、充実した時間を過ごしてもらえたら、と思います。