[ゼミ報告]「スマート農業アプリ企画に向けてのUXリサーチに取り組んだ1年」

メディア表現学部メディア情報専攻の富樫ゼミではこの1年、UXリサーチとサービス企画を学び、実践してきました。
 
学生たちは前期から引き続きスマート農業を推進している大手農機メーカーにご協力をいただいて、農業に関わるデータ活用アプリの企画提案に取り組みました。2月27日には大阪にある企業のオフィスで、4月からのUXリサーチの内容と、10月からの後期に取り組んだアプリ企画の発表を行いました。
後期の活動に大きな影響を与えたのは、10月、滋賀県日野町にあるひのでファーム(代表:里路久光氏)にご協力をいただき行った、農業体験を通じたフィールド調査です。
5人のゼミ生は、朝から夕方まで、トマトの葉の除去や、大根の収穫と洗浄などを通じて、手作業の大変さを感じながら、どこをデジタルサービスで改善できるかの知識収集をしました。
「ひのでファーム」農園長の里路氏への調査だけでなく、日野町でスマート農機を導入した大型農業を営む坂田滋氏の圃場ではGPS搭載農機の調査も行いました。
こうして、生産者の方と一緒に作業することを通じて体験、発見した課題を、企業に報告、共有をしました。
UX調査を元に、アプリサービスを作った際の使う人の状況や、心理的作用、モチベーションを分析し、ゼミに協力をしてくださっている企業への企画提案を繰り返しました。
その成果の一部を、1月末に学内で行われた進級展示で発表しました。UXリサーチのプロセス、学生たちが農業体験を通じて生産者の方から伺った課題を解決したいという思いから、生産者専用のコミュニティSNSアプリのUI/UX企画にも挑みました。
学生たちが考えた展示テーマは、「来場した人が農家さんに『ありがとう』といいたくなる展示」です。生産者が肉体的にも精神的にもとても大変な作業をして、おいしい作物を作っていることを来場者に伝えるため、滋賀県日野町・ひのでファームの里路氏、トマトファクトリーの油浦寛弥氏のご協力を得て、いちごとトマトを配布する試みを実施して、大好評でした。
展示には、お世話になった企業のご担当者様、ひのでファームの里路氏も来場くださいました。この1年、UXリサーチを通じて、いい作物のために努力を惜しまない生産者、その方々の仕事を楽にする事業に取り組む企業双方の理念やニーズに触れ、学生たちは、顧客の気持ちに寄り添ってプロダクトを作る本質を学びました。この学びを、社会に飛び立ってからも活かしていきます。
メディア表現学部 2021年度入学生 富樫ゼミ
内田柊、川崎蒼生、西本丈之助、村上聖宝、吉岡航汰(教員:富樫佳織)

富樫 佳織 TOGASHI Kaori

メディア表現学部教員
専門分野:ビジネスモデル / イノベーション・プロセス / マーケティング

お問い合わせ先 CONTACT

京都精華大学 広報グループ

〒606-8588 京都市左京区岩倉木野町137
Tel:075-702-5197
Fax:075-702-5352
E-mail:kouhou@kyoto-seika.ac.jp

※取材いただく際は、事前に広報グループまでご連絡ください。

SHARE