2018年8月に公開されたアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』を制作したスタジオコロリドから、監督の石田祐康氏、アニメーターの間崎渓氏、村山正直氏を招いた特別公開授業を開催しました。在学生に一般参加の方も加わって会場は開始前から熱気に包まれていました。
オープニングでスタジオコロリドのデモリールが上映されました。人物が生き生きと描かれていて、温かくどこかノスタルジーを感じます。You tubeにもUPされていますので、是非御覧になってください。
3人は本学アニメーション学科2期生の卒業生。2011年に設立されたスタジオコロリドに石田さんが入社し、その後、アニメーターとしてそれぞれ別の会社で働いていた間崎さん、村山さんが合流しました。当時は狭いスタジオにすし詰め状態で制作していたと懐かしそうに振り返っておられました。
『ペンギン・ハイウェイ』は約2時間の作品で1500以上のカットから構成されています。コロリドでは初の1000カット以上の作品だったそうです。監督が絵コンテを描き、それを基にアニメーターと作打ちといわれる打ち合わせを行い、原画を描くところから制作はスタートします。監督が描くイメージ通りの作画になっているか、何度も確認・修正を繰り返していきます。
「石田監督は全ての工程にとても大きな字で修正を入れてくるんですよ」と苦笑いの間崎さんと村山さん。会場も笑いに包まれました。元クラスメートで和気あいあいとしながらも、何通りものペンギンの歩き方を試行錯誤して考えるなど、制作はお互い妥協しない厳しい一面が垣間見えました。
表情、素材感、質感、色彩、接地感の調整等、改めてアニメーション制作は繊細な仕事の積み重ねであることを実感しました。しかしながら、メイキング映像を見ながら制作の裏話を語る3人の目は本当に生き生きとしていて、アニメーションに対する大きな愛情とこだわりが伝わりました。
質疑応答でも多くの手があがりましたが、印象に残ったのはアニメーションコース在籍の3年生からの質問。「アイデアはたくさん有って、これから卒業制作に入っていくが大事なポイントは何か?」という問いに対して異口同音に「短くても良いからとにかく完成させることですよ。とにかく作りきるんだという思いを高めていくことも大切」と答えられていました。
アニメーションが好きな方、アニメーション制作に興味のある方、精華大学のアニメーション学科の多数の卒業生が、作品制作を通して人々に感動を届けています。
京都精華大学では2019年2月13日(水)~17日(日)にかけて卒業・修了発表展を開催します。2月17日(日)はオープンキャンパスを同時開催予定です。一人でも多くの方に卒業・修了作品を通じて、本学の学びの広さと深さを感じ取っていただければ嬉しく思います。皆様のご来校をお持ちしております。