京都で、歴史・文学・社会を学ぶ
自分自身や身近な他者、社会の課題と向き合い、歴史、文学、社会の3つの視点から「人間とは何か」を考えます。専攻に所属して専門性を高めながら、異なる専門領域の視点からテーマを掘り下げられることも、人文学科ならではの大きな特長です。京都や日本、世界各地から拠点が選べるフィールドワークでは、大学の外で刺激を受け新しい知見が得られます。史料や文献による調査、インタビュー調査など各専攻の調査手法を身につけると同時に、正解がひとつでない問いに取り組むことで、現実のさまざまな問題に対応できる思考力と行動力を養います。
京都精華大学では、1989年の人文学科開設当初より〈行動する人文学〉をスローガンに、体験的な学修を通して世界を変革する人間の育成に取り組んできました。学生が教員と対等な立場で対話を行い、議論し、視野を広げることができる開かれた場です。他にないカリキュラムで、自分らしく社会を変革する力を育てます。
取得できる学位
学士(文化)
取得できる資格
高等学校教諭一種免許状(地理歴史・国語・公民)、中学校教諭一種免許状(国語・社会)、図書館司書、博物館学芸員
学びのキーワード
歴史、文学、社会、観光、ことば、ジェンダー、和歌、古文書解読、差別、現代社会、家庭、教育、環境、政治、ダイバーシティ、地域社会、フィールドワーク
人文学科の特長
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「ことば」の力を深め、自分と世界を再発見する
1年次には少人数のクラスで、さまざまな言語表現を学び、実践します。読むこと、書くこと、話すことを徹底的に行い、思考することで自己理解を深め、ことばを他者に届ける力を伸ばします。発表やディスカッションを通して複数の視点を知り、考え続けることで、「正解のない問い」と向き合う姿勢も養います。
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歴史ある文化の発信地・京都で学ぶ
文化の発信地であり、歴史や文化を学ぶうえで最適な街・京都。身近な場所に世界文化遺産にも登録された神社仏閣や史跡、文学の聖地があり、各地をめぐりながら研究することも可能です。京都ならではの祭礼や習俗など、研究対象も豊富。研究テーマが広い人文学科では、伝統と新しさが同居する京都の利点を最大限に生かすことができます。
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行動する学びで、将来につながる実践力を養う
体験的な学修も大きな特長です。2年次のフィールドワークでは、自分で決めたテーマについて、半年をかけて調査します。関心のある歴史上の出来事や人物、作家や文学作品のほか、社会課題や身近な疑問、自分自身の生きづらさなどもテーマになります。時間をかけて探究していくことで、未来につながる大きな発見が得られます。
キャンパスを出て学ぶ
長期フィールドワーク
学びのポイント
● 調査期間は半年~最長1年
長期フィールドワークの流れ
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1.テーマ設定・研究計画
自らの興味や関心にあわせて調査テーマを決めます。テーマは専攻にこだわらず自由に設定し、追究することができます。1年次から現地での調査手法や訪問先の地域について理解を深め、担当教員の指導のもと、6カ月間の研究計画を立てます。
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2.キャンパスの外で調査研究
テーマに合わせて拠点となる地域を設定します。寺社仏閣や史跡、映画・小説の舞台など、すべてが研究拠点(現場)になります。インタビューやアンケートなどの聞き取り調査をすることも。
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3.検証・報告を行う
調査で集めたデータや体験を整理し、活動報告を行います。得たフィードバックを参考に内容を整理し、卒業論文に向けて準備します。
フィールドワーク事例
<国内研究 京都>京都を舞台に研究します。複数のクラスのなかから興味がある内容を選んで所属し、調査を行います。
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自然環境の維持管理を考える
京都市動物園をフィールドとして、動物園の運営に実践的に携わり、自然環境の現状やその歴史を調査することで、その維持管理の方法を考えます。
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京都の地域や寺社を調査する
古文書や文学作品に登場する京都の地域や寺社に足を運び、貴重な資料を見学し、現地を歩いて調査します。そして、現代に残る寺社や地域社会と歴史・文学の繋がりも考えます。
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近現代の京都を調査する
京都は言わずとしれた古都ですが、首都機能が東京に移った後も、政治的・思想的・歴史的な出来事がいくつも起こっています。それらの詳細を、フィールドワークで明らかにします。
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京都のポピュラー・カルチャーを考える
本学が管理・運営を担う京都国際マンガミュージアムを拠点に、京都におけるポピュラー・カルチャーのあり方を調査・研究します。
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京都で日本の伝統文化を調査・研究
京都で生まれ、現在も形を変えながら継承されている伝統文化・産業について、工房をはじめとする現場に赴いて調査しながら現状を探ります。
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京都で企業と社会の関わりについて調査する。
100年以上続く老舗企業だけでなく、いわゆるベンチャー企業にも目を向け、企業と社会との関わりについて調査します。
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アートと社会の関係を考える
古いものと新しいものが共存する京都で、アートが社会に与える影響について調査・研究します。
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京都と王朝文化
京都に都城が築かれ、京都が政治・経済・文化の中心となった平安時代を、歴史と文学の視角から分析を深めます。
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古都の異文化を再発見する
「日本の古都」と単純に捉えられがちな京都で、異なる地域の由来をもつ文化を探し、調査・研究します。
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京都の神社と祭礼を探求する
有名な祭礼行事が多い京都。その主体となる神社のみならず、祭礼を支えてきた周辺地域や人びとも調査の対象とすることで、「祭礼」から見える京都の都市社会を考察します。
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京都で日本映画の歴史を考察する
かつて「日本のハリウッド」とよばれた京都は、日本映画に関する歴史の宝庫です。撮影所・映画館・大道具など、日本映画の歴史を調査・研究します。
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周縁から社会を捉え直す
京都の周縁に数多く存在する過疎や少子・高齢化に悩む地域の視点から、現代社会の問題を考えます。
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京都の江戸時代を調査する
江戸を本拠とした徳川幕府にとっても京都は重要な都市でした。歴史と文学、双方からのアプローチで、江戸時代の京都に迫ります。
<国内研究 北海道・沖縄・関東>いずれかの拠点を選び、現地に滞在して調査を行います。各地域固有の歴史・文化・社会に関する事柄であれば、自由にテーマを設定できます。
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北海道
北海道×先住民族の文化
北海道の提携大学に留学。先住民族であるアイヌ民族の衣類や工芸、食文化など、文化や暮らしについて、現地で調査・研究します。 -
沖縄
沖縄×戦争
沖縄の提携大学に留学。太平洋戦争における旧日本軍第32軍(沖縄守備群)の陣地や飛行場跡地などの戦跡を辿り、地上戦が町に残した影響について考えます。 -
関東
関東×近代文学
東京の提携大学に留学。東京近郊に残る文豪のゆかりの地や文学館を訪ねて、 明治以降の日本文学がどのように発展したかを考察します。
海外研究
いずれの国でも12~16週間、語学学修を行います。
また、語学学校の空き時間や休みの期間を活用して、フィールドワークのテーマ・調査計画にもとづき、調査を行います。
対象エリア
英語圏(アメリカ・カナダ・ニュージーランド・フィリピン)、韓国、台湾、フランス、スペイン
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ニュージーランドでマオリの衣装を研究
ニュージーランドの先住民族マオリの衣装を研究します。現地で資料収集やインタビューなどを行い、テキスタイルデザインや制作技法について理解を深めます。
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フィリピンで孤児と孤児院の現状を調査
フィリピンの孤児院でボランティアを行いながら調査を実施します。子どもたちの笑顔の背景にある家庭環境や国の経済成長について考察します。
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台湾でルカイ族を研究
拠点校にて中国語を学びながら、台湾原住民のルカイ族について調査します。日本統治時代を経験した古老から当時の状況や日本について聞き取り調査を行います。
先輩のおすすめ授業
基礎演習(1年次)
(2年生/小塩さん、佐藤さん)
在学生のレポートテーマ:
「銀山温泉の歴史と現在」歴史ある街並みが保全され、「大正ロマン」を感じられる人気の観光地で、もっと詳しく知りたいと思い、テーマに選びました。(小塩さん・2年生 )
「色」「色」を知ることで、日本の歴史や社会のシステムを垣間見ることができると思い、「色」をレポートテーマにしました。(佐藤さん・2年生 )
卒業後の進路
分析・洞察力や問題解決力が強みになる
人文学科で培われる、文化や社会現象を分析する力や自ら問題を発見し解決する力、グローバルな視点で日本や京都文化を洞察する力は、幅広い分野で応用できます。編集者や学芸員、コンテンツ制作者はもちろん、ITや文化事業、教育産業、商品企画、観光など、今後の日本ビジネスの中心となるあらゆる業種で必要とされるでしょう。
充実した就職サポート
京都精華大学では、着実にステップアップできるよう学年別のサポートや、幅広い進路に対応した充実のキャリア支援体制を築いています。
履歴書対策や面接対策など、個別指導も充実しています。
京都精華大学の進路・就職サポート
取得できる資格
● 中学校教諭一種免許状(国語・社会)
● 図書館司書
● 博物館学芸員
VOICE
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学ぶ楽しさに目覚める カリキュラムで 段階的に力をつける。
人文学科に入学する学生たちは、テーマがすでに決まっている人もいれば、文学と歴史、歴史と社会など2つの専攻で迷う人、まだ決められず、学びながら考えたい人などさまざま。各専攻の研究手法や特長を知ったり、ときには大学を出て実際の史跡を調査したりしながら、みずからの研究テーマを固めていきます。人文学科には、興味を刺激する幅広い授業科目があります。歴史、文学、社会の各専攻の教員同士も横断的に交流し、ひとつの専攻にとどまらず、異なる視点からも学びを深めることができます。所属する専攻以外の教員からのアドバイスも受けやすく、学びを広げていくことができるのも京都精華大学の人文学科の強みです。1年次には基礎を固め、2年次に専門を生かしながらフィールドワークへ。そこから得た学びを3、4年次のゼミでさらに深める、段階的なカリキュラムを用意しています。4年次で取り組む卒業論文は、「自分がどう感じたか」ということがなければ書けません。そのため専門分野の知識を得ることと併せて、他者のことばを読むこと、考えを言語化すること、そして意見を交わすことも盛んに行います。ことばで表現する力を少しずつ、たしかに形成することで、4年後には驚くほどの変化をみせる学生も多くいます。4年間を通じて何より、知ること、学ぶことの楽しさを実感してほしい。自分の興味がどこにあるか、興味があることをどう研究すればよいか、ここで探究してみませんか。
(研究内容 :日本中古文学/和歌・漢詩) -
社会の変化を察知し 対応できる力を
中小企業におけるCSRマネジメントを研究領域としています。CSRは「企業の社会的責任」という意味で、ゼミでは持続可能な社会のための企業のあり方を学び、理想と現実のギャップをどのように埋めていけばよいのか、そして自分たちはそれにどう関わっていけばよいのかを考えていきます。授業を通じて、社会の変化を察知し対応できるよう「社会感度」を高めていきましょう。調査したことを発表・意見交換しながら、主体的に学ぶ楽しさも伝えたいと思っています。
(研究内容 :環境マネジメント/CSR論/老舗企業研究)