白井 聡
- 専門分野
- 社会思想 / 政治学
SOCIETY
現在では、社会的・文化的役割の意を超え、「ジェンダーが社会や文化を構築する」と考えられるようになりました。現代思想との関係に着目しながら、ジェンダー論の展開について理解します。
国家や自治体、あるいは営利組織の力の及ばない分野で活動を行うNGO団体の活動について、さまざまな事例を踏まえながら調査・考察し、その必要性や社会の在り方について考えます。
FIRST
3専攻の分野をひと通り学ぶ
1年次は専攻に所属せず、「歴史」「文学」「社会」の基礎を学び、分野の特長や研究手法の違いなどについて理解します。文化を構成する要素と現代社会の成り立ちを知り、自分の興味に基づき研究したいテーマを探します。
広い知識とことばから、自分を知る
ことばを通して自分や他者への理解を深めます。研究に必要となる、「興味があることを掘り下げテーマを設定する力」、「過去の研究や現場を調査する力」、「自分の考えを論理的にまとめ発表する力」を基礎から身につけます。
SECOND
専門知識の理解を深める
社会専攻では、ジェンダーや貧困、災害、感染症など幅広いテーマで、現代社会のさまざまな課題の知識を深めます。人間の権利や安全保障について学ぶ科目もあり、現実の社会に研究を応用し、具体的に提案するための力を磨いていきます。
キャンパスの外へ旅立ち研究する
各専攻で学び獲得した知見を、実際にフィールドへ足を運んで検証します。6ヶ月間、キャンパスの外で異なる文化や社会に身を置いて、多様な価値観に触れることで実感を伴った知識を得、深めることができます。この経験が新たな視野となり、世界を広げ、独自の発想につながっていきます。
THIRD
調査結果を検証する
現地調査によって収集したデータや資料を整理し、教員や仲間たちに報告。指摘や議論を通じてさらに視野を広げ、研究テーマへの理解を深めていきます。同時に、所属専攻の専門科目を通して、より深い知識と知見を身につけます。
FOURTH
自分の考えを形にする
3年次までに深めた知見をもとに、自分の考えを卒業論文として発表します。興味・関心のあるテーマを追究し、他者に伝わるよう情報を論理的にまとめる論文執筆には担当教員が親身に指導にあたり、構想を練るところから、文章校正まで一対一でアドバイスを行います。
自然環境の維持管理を考える
京都市動物園をフィールドとして、動物園の運営に実践的に携わり、自然環境の現状やその歴史を調査することで、その維持管理の方法を考えます。
周縁から社会を捉え直す
京都の周縁に数多く存在する過疎や少子・高齢化に悩む地域の視点から、現代社会の問題を考えます。
京都で企業と社会の関わりについて調査する。
100年以上続く老舗企業だけでなく、いわゆるベンチャー企業にも目を向け、企業と社会との関わりについて調査します。
「相模原障害者施設殺傷事件」 に関する言説の分析
2016 年7 月26 日、神奈川県相模原市にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」において大規模な殺傷事件が起きた。入所者19 名が殺害され、施設職員を含む26 名が重軽症を負ったこの事件は、犯人の植松聖が施設の元職員であったこと、「障害者は不幸を生むだけ」という発言をしたことなどから大きな注目を集めた。植松の上記の発言や犯行へ賛同するインターネット上の声は、障害者の存在に肯定的な立場をとる人々によって「優生思想」や「障害者差別」という言葉をあてがわれ批判されてきた。しかし、それらは思想や差別など本質的で解決の目処のたたないものとしてこの事件を捉えることにもつながる。よって本稿では「優生思想」や「障害者差別」など、この事件について“語られた” ことではなく、障害者の存在に肯定的なもの・否定的なものも含め、それらが“なぜ語られたのか” について注目する。そのことによって植松やそれに共感する者のみを批判の対象とするのではなく、私たちが無意識のうちに前提としている構造の問題としてこの事件を捉え直す。
SNS 時代の新たな広告のあり方とは —新しい購買行動モデルの提唱と共に
現在SNSの利用者は増加傾向にあり、今後も更なる発展が見込まれる。そのようなSNS 時代の今、SNS マーケティングの観点から見える広告のあり方やそれに伴う消費者の購買行動にも新たな変化があるのではないかと考えた。ここでのSNSマーケティングとはSNS を通じて顧客と繋がりコミュニケーションを行うマーケティング手法の事を指す。
本論文では先行研究で見えた商品の精神的価値を主軸にしたマーケティングの変化を押さえつつ、3 つに分けた時代の購買行動と4 つのSNS を取り上げ、その形態や変遷、企業の実例を分析し、新たな広告のあり方を考察していく。消費者の購買を目的とせず、SNS の発展で「共感」から「拡散」の流れが成り立つ購買行動に加え、企業と消費者間のコミュニケーションの可視化によって、広告のあり方も、商品サービスの機能的側面のみをアピールするのではなく精神的アプローチで人に寄り添う形が求められていると考える。