芸術学部テキスタイルデザイン専門分野卒業生の國政サトシさんによる個展「エレクトロニック フォレスト ウォーター」が、ショップ兼ギャラリー「VOU/棒」にて開催されています。
國政さんは、現代の工業製品を素材に、染めや、編みといった工芸・手芸の技術を使い、立体作品や建物全体の構造を利用したインスタレーションに展開。その中でも自ら染めた結束バンドとバスケタリーの技法を使った作品を制作し続けています。
本展覧会では、この2年間に移住先の秋田県で制作された近作が並びます。ぜひご覧ください。
作家コメント
-----About Work-----
私は染めや編みといった染織の手法を使い、現代の素材に置き換えて作品を制作しています。普段見たことがある素材が一変し、違った素材へと変化します。
私が生まれた頃には身の回りに溢れるようにあり、自分が育ってきたうえで重要な素材にプラスチックがあります。プラスチックのニュートラルな不自然感が日常に浸透していることに疑問を持ち、使い終わると捨てられ消費されていくコードをまとめ止めるなどの用途の結束バンドを素材として扱うようになります。
大量生産され消耗される既製品は記憶に残りにくいです。しかし人の手に触れた瞬間そこに何らかの個性が現れます。意識していないと忘れ去られるちょっとした行為だからこそ、その小さなひとつひとつの「個」に化ける瞬間を留めたいと思うのです。
-----Recently-----
関西から秋田県に引っ越しして5年が経ち、今年はさらに秋田県白神山地の麓である藤里町に引っ越ししました。そこでの環境や暮らしは関西の時とは大きく違い、とても刺激的で新鮮です。水がきれいで、美味しい野菜が手に入り、動物や昆虫が多様に暮らしている山里で、冬は雪深く寒さが厳しい地域でもあります。
先日、帰りが遅くなった日がありました。車で県道から藤里町方面に曲がり、徐々に山に向かって一層暗くなる道を家に向かって運転していました。山に霧がかぶさり視界が悪くなってきて、スピードを落としながら注意しながら進んでいると、サッと動物が目の前を横切りました。尖った口先と耳が見えておそらくキツネじゃないかと思いましたが、同時にその霧越しに映った一瞬の動物の残像が、白い衣類を纏った人にも映りました。キツネは人に化けて現れるという逸話がありますが、そんな現実離れした逸話がいっきに実態を持った瞬間でもありました。
予想もつかないことが急に目の前に現れる。見たことない景色が目の前にある。そのことが体の中に浸透し、制作を通して手の作業からまた現れる瞬間を待っています。
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日程
2022年12月3日(土)〜2022年12月28日(水)
定休日 木曜日 -
時間
13:00~19:00
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会場
VOU/棒〒600-8061 京都市下京区筋屋町137 -
出演・出展者
國政サトシ(芸術学部テキスタイルデザイン専門分野 卒業)
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予約
不要
関連イベント
パフォーマンスイベント
会期の最終日に、國政サトシさんと美術家の船川翔司氏によるパフォーマンスイベントが開催されます。
「風の声 船川翔司×國政サトシ」
日程:2022年12月28日(水)
時間:16:00~17:00
時間:16:00~17:00
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