在学生・卒業生

洋画専攻 安喜ゼミに所属する4年生による作品展「時の肌理 TEXTURE OF TIME」が開催

芸術学部洋画専攻 安喜万佐子ゼミに所属する4年生による作品展「時の肌理 TEXTURE OF TIME」が、京都・岡崎にあるALC Library&Galleryで開催されます。


本展覧会は、新型コロナウイルス感染症の影響で交流や作品発表の機会を十分に得られなかった学生たちに、展覧会を開催する場を提供することを目的に、アーティスト有志が2022年に立ち上げたプロジェクト「Youth to Use!」の一環として企画されました。

本展では、洋画専攻の教員 安喜万佐子が指導するゼミ生8名が、これまでの研究成果を発表します。ぜひ足をお運びいただきご覧ください。

 
 
 

展覧会コンセプト

情報が端末1つで簡単に手に入り、生活は便利になりました。その一方で、私たちは容易に得た情報に満足し、深く考えることを怠り、目先の欲求に囚われ、支配されているようにも感じます。このように世界が不確かなものとなっている今、私たち8名は、様々な物質的素材との出会いを大切にし、長い時間をかけて対話するように作品制作を行ってきました。それは一見すると非効率で不便な行為に見えるかもしれません。しかし、私たちは自らの身体を通して「見る」「触れる」ことにより、この世界の肌理を確かめるために時間をかけて作品を作っているのだと思います。その痕跡は「時の肌理」となり、それぞれの作品に表れます。
 
今回の展示では、多様な肌理を切り口に、作品から開かれる新たな時間を届けたいと考えています。また、そこに宿る記憶や思考 が、情報が絶え間なく溢れる日々の中でも、温度をもつ肌理として、共有できるものとなることを願っています。

「時の肌理 TEXTURE OF TIME」Instagram(@texture_of_time_project

  • 日程

    2025年10月31日(金)~11月4日(火)

  • 時間

    12:00~19:00(最終日16:00まで)

  • 会場

    〒606-8336 京都府京都市左京区岡崎北御所町51-8 TMビル2F・3F
  • 出演・出展者

    [芸術学部洋画専攻4年]
    荒井鈴奈、沖本百恵、坂口静香、揣 明陽、新谷嘉子、蘇 若晗、中井 龍之介、李 欣雨

    指導教員:安喜万佐子(芸術学部洋画専攻 教員)

  • 予約

    不要

  • 料金

    無料

出展者プロフィール

  • 荒井 鈴奈|ARAI Rinna

    略歴:2003年 兵庫県出身

    糸を紡ぐ。記憶を紡ぐ。
    一歩の糸は、編むことで、平面にも立体にもなる。
    そこに絵を描く。
    糸は解くこともできる。糸に描かれた像をほどき再構成することで、記憶の曖昧さや再生を表現する。
    紡がれた糸の色が記憶を呼び覚ますきっかけとなる。

  • 沖本 百萌|OKIMOTO Momoe

    略歴:2003年 愛媛県出身

    日常の中にあるモノや技術で作品を制作する。美術とは区別されがちな手芸に着目し、継いだ布をキャンバスにして絵を描く。
    アートと生活の間に生まれる、枠組みにとらわれない作品を目指している。

  • 坂口 静香|SAKAGUCHI Shizuka

    略歴:2003年 兵庫県出身

    ある日ふと山へ向かい、土と出会う。
    自ら採取した土を顔料や支持体へと変化させ作品に用いる。
    痕跡に興味を持ち試行する「痕」シリーズ、日々の些細なこと、手と土が戯れるよう描かれるフレスコ画など、様々な手法での表現を試みる。

  • 揣 明陽|CHUAI Mingyang

    略歴:2002年 中国北京出身

    大胆な筆跡と鮮やかな色調によって、言葉では表しきれない一瞬や感情を捉えようと絵を描く。
    作品は、作家と世界との対話であり、心の表現でもあると考え、その対話を通じて自らの世界を色彩で形にすることを試みている。

  • 新谷 嘉子|SHINTANI Kanako

    略歴:2003年 兵庫県出身

    コピー用紙を繰り返し湾曲させ、その一部を撮影し、さらに印刷することで新たな被写体を生み出す。
    行為と紙が重なることで現れる像は色に還元され、湾曲もまた情報へと変換される。身近な日用品であるコピー用紙が、断片やずれを通して新しい視覚言語を立ち上げていく。

  • 蘇 若晗|SU Ruohan

    略歴:2001年 中国厦門出身

    「夢」と「記憶」をテーマに、柔らかな色彩と温かみのある質感を織り交ぜた優しい世界を描き出す。
    一針一針刺して制作する羊毛フェルト作品を通じて、情報があふれる現代社会の中に、心が安らぐ場所を提供したいと考えている。

  • 中井 龍之介|NAKAI Ryunosuke

    略歴:2003年 大阪府出身

    広大な森林を歩き、キャンバスと共に身を置くことで、うつろう時間そのものを描き出そうとしている。
    生き物や枝、そして風が生み出す音の中で、私たちを遥かに超える自然の存在を確認する。

  • 李 欣雨|LI Xinyu

    略歴:2000年 中国内モンゴル出身

    民族衣装や伝統文化など、文化や物語、花言葉といった背景にある”見えない”美しさに着目する。
    油彩、テンペラ、岩絵具や天然顔料など、質感の違いによって画面に深みや温度を与える。
    精密な描写と繊細な色使いを通して、自身なりの世界を静かに描き出している。

指導教員

安喜万佐子(美術家/芸術学部 洋画専攻教員/大学院 芸術研究科教員)

京都精華大学大学院美術研究科修了。英国エジンバラ芸術大学招聘作家(大阪府芸術家派遣事業 2001)、米国スミス大学滞在研究員(文化庁新進芸術家海外派遣 2015)。「VOCA展–新しい平面の作家たち」上野の森美術館(1999 / 2002 東京)、「Confronting Tradition」スミスカレッジ美術館(2004 米国)、「City_net Asia」ソウル市立美術館(2005 韓国)、モスクワビエンナーレ特別プログラム(2013 ロシア)、「KIMIKO YOSHIDA & MASAKO YASUKI」RuArts Gallery(2018 ロシア)、「国宝のある芸術祭」総本山仁和寺(2021 京都)、「絵画: 想起のかたち」奈義町現代美術館(2023 岡山)、「FLOATING WORLD - INSIDE OF THE OUTSIDE」White Conduit Project (2024 ロンドン / 英国)他、国内外で個展・グループ展多数。

お問い合わせ先 CONTACT

京都精華大学 広報グループ

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※取材いただく際は、事前に広報グループまでご連絡ください。

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