芸術学部版画コース卒業生の大野咲樹さんによる個展「-BOP-」が、石川県金沢市のイタリアンレストラン「La RINA」にて開催されます。
シルクスクリーンとは、色ごとに版を作成し、順番に重ねて印刷する版画技法です。絵具をその場で混色する絵画とは異なり、多色表現には、どの順番で版を重ね、どのように色を生み出すかという綿密な工程計画が欠かせません。フォトグラムもまた、原稿(版)を重ねて像を構成する点で、シルクスクリーンと共通する側面を持っています。
このように、製造業での BOP(工程表)の考え方は版画制作にも通じており、シルクスクリーンが POP アートを象徴する技法であることや、BOP/POP の語感が生む連想も重なり、工程と表現の関係を多層的に捉えることができます。
私は版画専攻の出身であり、ふり返ってみると、写真作品やイラストの制作においても、版の重なりを前提とした構成の仕組みを無意識のうちに活用してきたことに気づきました。
こうした背景を踏まえ、見えない工程と画面に現れる表現の関係を、音楽の「bop」がもつ軽やかさをひとつの手がかりとして探ります。
本展では、線・面・色を用いた平面的な表現でありながら、空間や温度感が感じられるイラストをシルクスクリーンで印刷した作品や、人物の表情や余白を意識した作品、さらにフォトグラム(カメラを使用せず、印画紙上に直接物を置いて感光させ、イメージを生成する技法)の作品が展示されます。ぜひご覧ください。
アーティストステートメント
「bop」は音楽用語ではビバップ(Bebop)を由来とし、近年ではアップテンポでノリの良い曲やお気に入りの曲を指す言葉として使われています。一方、製造業において BOP(Bill of Process)は製造工程表を意味し、製品をつくるための工程を示す不可欠な指標です。
シルクスクリーンとは、色ごとに版を作成し、順番に重ねて印刷する版画技法です。絵具をその場で混色する絵画とは異なり、多色表現には、どの順番で版を重ね、どのように色を生み出すかという綿密な工程計画が欠かせません。フォトグラムもまた、原稿(版)を重ねて像を構成する点で、シルクスクリーンと共通する側面を持っています。
このように、製造業での BOP(工程表)の考え方は版画制作にも通じており、シルクスクリーンが POP アートを象徴する技法であることや、BOP/POP の語感が生む連想も重なり、工程と表現の関係を多層的に捉えることができます。
私は版画専攻の出身であり、ふり返ってみると、写真作品やイラストの制作においても、版の重なりを前提とした構成の仕組みを無意識のうちに活用してきたことに気づきました。
こうした背景を踏まえ、見えない工程と画面に現れる表現の関係を、音楽の「bop」がもつ軽やかさをひとつの手がかりとして探ります。

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日程
2026年1月14日(水)~2月15日(日)
休廊日:木 -
時間
10:00~20:00
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会場
La RINA La RINA Cafe Wall Art
〒920-0961 石川県金沢市香林坊2丁目1−1 クラソ・プレイス香林坊 G階 -
出演・出展者
大野咲樹(芸術学部版画コース 卒業)
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予約
不要
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京都精華大学 広報グループ
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